「これが最後の仕事になる」読書録

おすすめ本

「これであなたも私と一緒ね。」
という言葉を思い出した。

「有終の美」

そんな言葉では語ることができない
24人いたら24通りの最後の仕事


言うことやることすべてが
気持ち悪い定年退職の教師、
母親の介護でアルバイトを
辞めなければいけなくなった高校生、
仕事に悩み自殺を考える男性と
それに気づいた引きこもりの弟、
お客の家族から仕返しをされるホスト・・・

様々な人の人生を追っている。

印象に残ったのは岸田奈美氏の「声」。
憧れを持って看護助手になるけど、
半年経っても自分の名前さえ呼んでもらえない、
少しおしゃべりしただけで上司から注意される

そんな日々の中で上司の命令で
掲示板の「患者の声」に返事を書く仕事で、
めんどくさいだけで誰も望んでいない仕事が
始まった。

「わたしは目指した場所から1番遠ざかっている」

もう最後の仕事だと意識した、
そんなときに届いた「患者の声」が・・・。

というお話
ぜひ楽しで読んでほしい。

私は何年か前に約20年の公務員を退職した。
早くに結婚した夫と二馬力で働き、
私の給料のすべては貯蓄と投資に回し
たくさんの同僚や仲間から花束や
プレゼントをもらい、順風満帆で・・・

いざ帰ろうとしたときトイレの前で

トイレ掃除のおばさんからぼそっと

「これであなたも私と一緒ね。」と
言われたのだ。

もちろん
トイレ掃除をする女性の名前を
私は知らない。

有終の美じゃなくてもいい。
最後の仕事って決めなくてもいい。
だって物語はこれからも続きますから。


ファイト!






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